B型肝炎訴訟とは
昭和23年以降、日本国内ではすべての乳幼児が集団予防接種を受けることが法律で義務付けられました。
しかし当時は、一人ずつ注射針を交換するように国が指導しなかったために、推計で40万人以上もの乳幼児がB型肝炎ウイルスに感染しました。このような注射の連続使用の被害者は、これまで国からの何の救済も受けることなく、将来の発症の不安(キャリア)や、慢性肝炎・肝硬変・肝がんなどの病気により苦しめられてきました。自分たちには何の落ち度もないのに、なぜこれほどまでに苦しまなければならないのか。このような被害者の思いを受けて、国が謝罪し、きちんと責任をとるよう求めた裁判が全国B型肝炎訴訟です。
2006年6月、全国の被害者の代表として北海道の原告(裁判を起こした被害者)5名について、国の責任を認める最高裁の判決が出されました。
しかし、国や厚生労働省は、全国の同じような苦しみを受けた被害者に対する責任をとろうとはしませんでした。そこで、2008年より、被害者の仲間が団結して、全国の10か所の裁判所で裁判を起こして闘いました。私たちはその闘いに立ち上がった被害者とともに裁判を起こし、現在の給付金の根拠となる「基本合意」を勝ち取った「全国B型肝炎訴訟」の九州地区の弁護団です。
基本合意の成立
私たち「全国B型肝炎訴訟」の長く苦しい闘いの末、2011年6月28日、当時の菅直人総理大臣の正式な謝罪を受けて、被害者への賠償金の支払いなどを定めた「基本合意」が、国と私たち「全国B型肝炎訴訟」原告団・弁護団との間で結ばれました。
基本合意では、
1. 国が責任を認めて正式に謝罪すること
2. 被害者への賠償金の支払いに関する定め
3. 今後の治療体制の充実など、被害者が安心して暮らせる社会の実現に向けた話し合いの場を設置すること
などが国との間で取り決められました。