小宮和彦 弁護団代表
当弁護団は、集団予防接種によってB型肝炎ウイルスに感染させられた被害者の方々(おもに九州地域に居住されている方)の救済活動に取り組んでいます。“すべての被害者を、すみやかに救済する”ことを使命と位置づけて活動しています。
当弁護団は、国に初めて責任を認めさせ、厚生労働省と基本合意を締結した全国B型肝炎訴訟弁護団の一員です。平成20年5月に福岡地方裁判所に20名の原告で最初の提訴を行いました。それ以降、全国の原告団・弁護団とともに、裁判所での訴訟活動だけではなく、街頭行動や国会要請行動、厚生労働省前座り込みなど、解決のためにあらゆる活動に取り組んできました。その結果、平成23年6月に厚生労働省と基本合意を締結し、解決の枠組みを作ることができました。その後、多くの被害者の方々の和解を成立させてきました。
しかし、国の推計では全国に40万人以上の被害者がいるとされており、九州には4万人以上の被害者がいると推計されます。まだまだ多くの被害者が救済されずにいます。これらの方々のすべてを救済に結びつけることが使命だと考えています。
また、肝炎患者が安心して治療ができ、生活ができるように、肝炎患者に対する医療費助成の拡大、治療法の研究開発の促進、差別偏見の撲滅などの恒久対策への取組も重要な活動と位置づけ、国や各自治体への要請行動、各地での医療講演会の開催などにも、原告団とともに取り組んでいます。
当弁護団は、できる限り被害者の身近に寄り添って救済活動を行うため、沖縄を含む九州8県すべてにそれぞれ弁護団を結成し、全体として九州弁護団を構成して活動しています。
どうぞ、お気軽にご相談ください。
また、活動へのご支援・ご協力をよろしくお願いします。
松田 実 原告団代表
1989年に札幌で始まったB型肝炎訴訴訟は、2011年に至りようやく国が責任を認め謝罪、被害者の救済が始まりました。
私は2006年にB型肝炎に感染していることを知りました。すでに慢性肝炎から肝硬変になり高額なウイルス抑制剤を服用してきました。肝がんを発症以降8度の入退院を繰り返しています。
B型肝炎に感染した人は、病態の進行や癌再発におびえ、人に知られることを恐れ、治療費など経済的にも苦しい環境に置かれています。産んだ子供にも2次感染し罪の意識に苛まれている方もいます。
国が集団予防接種での注射器の使い回しを放置せず適切に対応していれば私たちはこんな苦しい思いをしなくても済んだのです。
予防接種の回し打ちの被害者は40数万人と推計されていますが、自分がB型肝炎だと気づいていない方も多くおられます。
私たちは、同じB型肝炎感染者として悩みを打ち明け合い、励まし合える仲間です。
そしてまず何よりも迅速に多くの被害者の救済を求め、すべての肝炎患者が安心して治療できる医療制度の実現や、差別や偏見をなくすため原告団を結成しています。
これまで私たち原告団・弁護団は、厚生労働大臣との定期協議などを通して、肝疾患による障害年金認定基準の一部変更、肝機能障害(身体障害者手帳)の認定基準の見直し、B型肝炎被害者救済特別措置法の期限延長、肝炎ウイルス陽性者の定期検査費用の助成など実現させることができました。
引き続き「予防接種回し打ちによる感染被害者の早期救済」と「ウイルス性肝がん・肝硬変患者の医療費助成制度拡充」、「ウイルスを排除できる新薬研究・開発」など肝炎患者が安心して暮らせる肝炎対策の早期実現を求めています。
原告団では、同じB型肝炎という病気を持つ仲間として、できる範囲で力をあわせ、治療の情報交換や交流などもしています。多くのみなさんのご参加をお待ちしています。ご遠慮なくご相談ください。